【徹底考察】米国VIブルと米国VIベアのリスクはどっちが高い?

 

「米国VIブル」と「米国VIベア」は、どちらも僕が好んで投資している銘柄だ。

なぜなら、誤解を恐れずに言えば安定したリターンが期待できるからだ。

 

しかし、米国VIブルと米国VIベアは、そのどちらがより優れているのか?

どちらがリスクが低いのか?

というと、簡単な話ではない。

 

僕は個人的な投資のため、米国VIブルと米国VIベアを比較している。

そこで明らかになったのは、両銘柄の最大の違いは「リスク」にあるということだ。

 

リスクが少なくて済むなら、ポジションを多く、高いリターンを取りに行くことができる。

 

今回は、コンタンゴ狙いの運用を前提として、

 

  • 米国VIブルの空売り長期保有
  • 米国VIベアの買い長期保存

 

の両投資法について比較してみよう。

結論として、「米国VIブルよりも、米国VIベアのほうがリスクが小さい」と言えそうだ。

 

米国VIベアと米国VIブルは「リスク」が異なる

 

米国VIブルと米国VIベアは、極めて似た値動き(逆相関)をする。

たとえば、米国VIブルのショート(空売り)ポジションに含み益が出ているときには、米国VIベアのロング(買い)ポジションにも含み益が出る。

 

このような逆相関の動きになるのは、

 

  • 米国VIブル:VIX短期先物指数に対し「+1.5倍」の値動き
  • 米国VIベア:VIX短期先物指数に対し「-0.5倍」の値動き

 

のように、同じ原資産(VI短期先物指数)を参照していて、かつ倍率が反転(プラスとマイナス)しているからだ。

これによって、米国VIブルと米国VIベアは互いにチャートをひっくり返したような値動きとなる。

 

しかしここで強調しておかなければならない。

どちらに投資しても同じリターンが期待できるわけではない。

 

米国VIベアは「買い」から入れるのでリスクが小さい

 

結論、米国VIブルより米国VIベアのほうがリスクを抑えた投資が可能である。

なぜなら、コンタンゴ狙いの長期投資では、米国VIブルは「売り」から入り、米国VIベアは「買い」から入ることになるからだ。

 

買いから入るほうが、空売りよりもリスクは低い。

「買い」から入ると最大の損失を「元本」に限定できる。

たとえば10万円投資したら最大損失は10万円以下にに抑えられる。

レバレッジ1倍で運用すれば、米国ベアがマイナスになることはないからだ。

 

一方、米国VIブルは下落し続ける銘柄なので、「空売り」を活用することになる。

この場合、米国VIベアと同じようにレバレッジを1倍に抑えても、米国VIブルが2倍になると元金と同じ含み損、3倍に上昇すると元金を超えてしまう。

空売りの損失は「青天井」で、限界値が読みにくいのだ。

 

もちろん、レバレッジをもっと下げれば、リスクも下げることができる。

しかし、売りから入る以上、「これ以上は絶対に上がらない」という価格帯はないので、やはり買いよりはリスクが高い。

 

特に初心者は「米国VIベアの買い」からマスターすべき

 

もちろん慣れてくると、「米国VIブルは何倍まで上昇しそうか?」が感覚的に理解できるようになる。

ロスカットを含め、最適な戦略を立てることも可能だろう。

 

でも初心者には、大切なお金を失わないよう慎重になってほしい。

たとえば、以下の用語が分かるだろうか?

 

基礎用語:
「ロスカット」「空売り」「VIX指数」「レバレッジ」

 

これらが何を指しているか分からないのなら、米国VIブルの売りポジション保有はやめておこう。

少額で米国VIベアを買うことから始めるべきだ。

 

米国VIベアは少額から投資できるのも利点

 

米国VIブルと米国VIベアのもうひとつの違いは、「最低投資金額」にある。

米国VIベアは、米国VIブルよりも少額から投資できる。

 

2019年6月現在、米国VIベアの必要証拠金は1口あたり1140円だ。

 

米国VIベアは少額から投資できるのも利点

 

それに対し、米国VIブルの必要証拠金は739円となっている。

 

米国VIベアは少額から投資できるのも利点

 

「あれ、ブルよりベアのほうが高いじゃないか?」と思うだろう。

しかし実際には、米国VIブルは空売りから入るため、その分レバレッジを抑えて投資する必要がある。

 

すると、入金額を増やすことになるので、最低投資金額は高くなる。

 

では、どの程度の差があるのか?

僕はこちらの記事「【奥が深い】米国VIブルの買い方+戦略を実践者が解説する」で述べているように、米国VIブルにおける空売り長期投資では、「必要証拠金の50倍の入金」が適切と考えている(つまりレバレッジ0.1倍)。

これは米国VIブルが10倍に急騰しても耐えられる水準だ。

 

ここまでの話をまとめると、米国VIブルと米国VIベアの「最低投資金額」は以下のようになる。

 

  • 米国VIブル(必要証拠金の50倍を入金):739×50=3万6950円
  • 米国VIベア(必要証拠金の5倍を入金):1140×5=5700円

 

これは予算が10万円以上の投資家にとっては小さな差だが、数万円から試しに買ってみたいという人にとっては大きな差となる。

予算の少ない人は米国VIブルではなく、米国VIベアを買ってリスクを抑えるべきだと言える。

 

「VIXショック」での米国VIベア暴落は気にする必要なし?

 

米国VIブルと米国VIベアは、基本的に「逆相関」の値動きとなる。

しかし、2018年2月の「VIXショック」では、そうならなかった。

 

米国VIブル 2012年~2019年

「VIXショック」での米国VIベア暴落は気にする必要なし?

 

米国VIブル(空売り銘柄)は一時的には約3倍に急騰したが、その後落ち着きを取り戻した。

 

米国VIベア 2012年~

「VIXショック」での米国VIベア暴落は気にする必要なし?

 

しかし米国VIベア(買い銘柄)は下落率92%の大暴落を記録。

現在も安値圏で推移し、高値を取り戻せていない。

 

これをどのように考えればよいか。

結論、米国VIベアの暴落については心配無用だと考えている。

 

なぜなら、米国VIベアが参照するVIX短期先物は、引き続き「コンタンゴ」を継続しているからだ。

 

コンタンゴとは:
先物取引において、限月(先物の期限)が遠いほど価格が高く、限月が近いほど価格が安い状態のこと

 

米国VIベアはなぜ上昇し続け、米国VIブルはなぜ下落し続けるのか?

その利益の源泉は「コンタンゴ」にある。

その大前提が損なわれていない限り、今後も同様、米国VIブルは下落し続け、米国VIベアは上昇し続けることになる可能性が高い。

 

コンタンゴをもっと知りたい方は以下の関連記事をご覧ください。

»コンタンゴの意味を世界一分かりやすく解説!VIX、米国VI、原油を買う人は必見!

 

また「VIXショック」は、数十年に一度の突発的なものであり、めったに発生することではない。

それが偶然、2018年2月に来てしまったのだ。

 

加えて、米国VIベアがVIX短期先物ETFに対し-1倍から、-0.5倍の値動きへと、価格変動が小さくなるように仕様変更された。

これにより、いっそうローリスクで下値余地の小さな銘柄になっている。

 

結論:リスクは米国VIベアのほうが低い

 

ここまで述べてきたように、米国VIブルよりも米国VIベアのほうがリスクが小さい。

米国VIベアは「買い」から入れるのが最大のメリットだ。

 

投資においては、コツコツ負けることは許されるが、大きな損失は避けなければならない。

そういった意味で、空売りではなく「買い」から入れる米国VIベアは優秀な銘柄だ。

 

ただし、総合的には一長一短

 

もちろん、僕が今回取り上げたのは「リスク」についてであり、米国VIベアが総合的に優秀だと言っているわけではない。

米国VIブルには、米国VIベアにはないいくつものメリットがある。

 

たとえば、米国VIブルはハイリスクな分、正しく運用すれば米国VIベアのリターンを上回ることがある。

 

具体的には、

 

想定利回り:

  • 米国VIベア:年間利回りは約40%前後
  • 米国VIブル:年間利回りは約65%前後

 

になると僕は試算している。

 

さらに、米国VIベアの買いには存在する「上場廃止リスク」が、米国VIブルの売りにはない。

いや、正確にはあるのだが、空売りで入っているため、銘柄が廃止になったとしても問題がないのだ。

 

そして、もうひとつ違いがある。

米国VIベアの買いポジションの保有には「金利調整額」という手数料のようなものを支払う必要があるが、米国VIブルの売りでは、これが発生しないのだ。

 

だから両銘柄はリスク度に差はあれ、トータルでは一長一短。

ハイリスク・ハイリターンなのか、ローリスク・ローリターンなのか、ということでもある。

 

米国VIブルと米国VIベアを「どっちも持つ」のも有力

 

米国VIブルと米国VIベアのどちらが優れているかは、迷うところだ。

だから僕は、個人的な投資では米国VIブルと米国VIベアを「両方持つ」ことにしている。

 

自身のリスク許容度に合わせ、最適なバランスを模索してみるのもいいだろう。

 

リスクを減らしたいなら「ポジション量」を減らす

 

ここまで解説してきたように、「米国VIブルの売り」と「米国VIベアの買い」を比較すると、後者のほうがわずかにリスクが低い。

 

ただし、僕の実感として、リスクへの影響度は圧倒的に「ポジション量>銘柄の選択」だ。

 

極論、どんなに値動きが激しく、リスクが高い銘柄でも、資産のわずか1%しか投資しなければ、ほとんどリスクはない。

ぜひ、銘柄の選定と同じくらい「最適なポジション量」を模索してほしい。

 

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