米国VIはリスク高すぎ?複利運用は幻想?誰もがハマる落とし穴とは

 

「米国VIという、最高の銘柄を見つけた!」「価格調整額のリターンで複利運用すれば、5年~10年後にはスゴいことになる!」と興奮しているあなた。

その複利運用のリターン、はっきり言って「幻想」かもしれないですよ。

 

米国VIは売りポジションの長期保有で利益を得やすい銘柄です。

しかし、それと同じくらい大損している人も多いことをご存じですか?

 

今回は、米国VIでの複利運用が「絵に描いた餅」に過ぎない理由をご紹介します。

ちなみに「VIXショック」への準備も万端という上級者が読むと「ああ、はいはいその話ね」で終わってしまいます。

なので、これから米国VIでの複利運用を始める初心者にお読みいただけると幸いです。

 

米国VIの複利運用で、10年後には億万長者!?

 

米国VIでの複利運用に夢中になる人は多いですよね。

その理由は、圧倒的に利回りの高いインカムゲインです。

投資で得られる収益には「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2つがあります。

 

キャピタルゲイン:
トレードによる売買差益の利益のこと

インカムゲイン:
ある資産の保有中、継続的に受け取れる安定収入のこと

 

さてそれでは、一体何に投資すれば、もっとも多くのインカムゲインを得られるのでしょうか?

 

僕の知る限り、最高のインカムゲインは米国VI系のCFDを空売りすることです。

 

どれくらいのポジションを保有するかにもよりますが、攻めた運用をすれば、それこそ年利40%のペースでインカムゲインを得ることもできます。

 

もし年利40%を10万円を複利運用すると、なんと20年間で7500万円を突破します(下図)。

 

米国VIの複利運用で、10年後には億万長者!?

 

「雪だるま式に増える」とは、まさにこのことですね。

 

ただし“一回でも”ロスカットされれば、複利運用は崩壊します

 

しかし、考えてもみてください。

もし米国VIによる複利運用が確実なものであるならば、なぜ機関投資家やヘッジファンドがこぞってやらないのでしょうか。

世の中、「株だ」「FXだ」と言っていますが、別に米国VIだけでいいじゃないか、という話になります。

日本の年金制度が崩壊?これも米国VIで複利運用しましょうよ(笑〉

 

それができないのは、それなりのリスクがある証拠です。

米国VIはショート(売り)ポジションを保有することでインカムゲインを受け取ることができます。

一方、米国VIが上昇すれば、当然ながら売りポジションには含み損が発生し、損益は相殺されます。

 

これだけならまだ我慢できますが、米国VIが「60」くらいまで急騰したらどうでしょうか。

僕の想像では、ここまで急騰すれば80%以上の人は「強制ロスカット」されてしまうことでしょう。

その後、「80」「100」「120」と急騰したら、もう95%くらいの人は退場するはずです。

 

そんなことになるには、第三次世界大戦でも起きなきゃいけない?

いえ、もし1987年10月の「ブラックマンデー」当日にVIX指数が存在していたら、「172.79」まで上昇していたとするシミュレーションがあります。

 

実際に金融危機が発生しなくても、不吉な噂によって恐怖指数のチャートの上ヒゲが一瞬でも突き上げれば、もれなく全員ロスカット完了です。

そんなこと100%ない、と言い切れますか?

 

米国VIの複利運用は本当に「優秀」なのか

 

インカムゲインを目的として投資する場合、多くの人は「利回り」に注目します。

元本に対し、どれだけのインカムゲインが安定的に入ってくるかで考えています。

 

こうした視点で見れば、上で述べたように米国VIは最高のインカムゲインです。

 

しかし実際には、インカムゲインの利回りが同じでも「ボラティリティ(価格変動率)の低い投資対象のほうが優秀」なんですよね。

たとえば、株の配当金で年に5%得られるよりも、銀行預金で年に5%得られるほうがはるかに優秀です。

 

だって、株は「半値になるかもしれない」ですからね。

だから株には全財産を突っ込むことはできません。

日経平均が2万円から1万円になる可能性なんて、十分にあるのです。

 

一方で、銀行預金で年5%ならどうでしょう。

これは誰でも全額(言葉どおり、余力の100%で)キャッシュを突っ込むと思います。

なぜなら、「確実な複利運用」だからです。

 

そういう視点で考えると、なぜ米国VIはどうでしょうか?

底値は10ほどから、高値は150くらいまでを(最悪のケースを想定するなら)見ておく必要があります。

「米国VIの複利運用、美味しすぎるんだけど何か裏があるんじゃないか?」と心配している人もいますよね。

 

でも別に裏なんかなくて、

 

  • リスクが高いので、余力の100%を突っ込むと速攻でロスカットされてしまう
  • ロスカットされないためには、余力のごく一部しか投入できない

 

というトレードオフの関係にあるというだけの話なのです。

 

「想定外」の高騰がリスクの米国VI

 

とはいえ、米国VIが『100』とか『120』とか、めったにあるものではない」という考え方が一般的ですよね。

米国VIと連動するVIX指数は、たしかに1990年から一度も「100」を超えていません。

 

VIX指数(米国VI)1990年~

「想定外」の高騰を見せるのが相場というもの

 

しかし、相場に絶対はありません。

僕自身、そう思う出来事が過去にありました。

仮想通貨ビットコインのトレードで大きな損失を出したことです。

 

僕はどちらかというと、「決め付けはよくない」と思うタイプです。

しかし、そのときの投資判断には99%の確信がありました。

 

暴落中、「これは絶対に上昇してくる」と思い、満を持して絶好のタイミングで買いを入れました。

しかし上値が重く、なかなか上昇しないんですよね。

それどころか、しばらく様子をみているとさらに安値を更新してきたんですよ。

 

でも僕の頭の中には「絶対に上昇する」という頭があったので、ナンピンで買い下がりました。

これはもう、「お察し」ですよね。

結果、どうなったかというと、また下落です。

 

そして僕は最終的に、それまでコツコツと得てきた利益の大半をぶっ飛ばしました。

いや、正確にはトータルちょいマイナスになりました(笑)

 

その直前まで、僕の頭の中ではすでに、「ビットコインの複利運用」が完成していました。

このままのペースでいけば1年後にはいくら……、5年後にはいくら…、と。

しかし複利運用の計画はあっけなく頓挫しました。

 

この瞬間、ガチでやる気を無くしましたね。

例えるなら、500時間やり込んだゲームのセーブデータが消えた感じです。

「また1からこれやんの……?」「時間かかるなあ……」という。

 

ぶっちゃけ僕のことを「バカだな……」と思われたと思います。

しかし、これは僕だけじゃなくて、あなたにも起こり得ることだって気づいてほしくて。

 

あなたは仕事や家庭に追われて忙しく、投資に割ける頭のリソースなんて5%くらいしかないはずです。

そんな中で、米国VIをちょっと売ってみたら、価格調整額がドカンと入る。

「これは複利で増やせばスゴいことになるぞ」と、ポジションを増やす。

そして、ある日米国VIが急騰して、強制ロスカットで全て持って行かれてしまうのです。

 

米国VIのリスク管理=ロスカットレート

 

この記事でお伝えしたかったのは、「米国VIを“適当”に扱っていては、複利運用は『幻想』と化しますよ」ということです。

強い言葉を使って申し訳ないのですが、事実です。

 

「じゃあ、米国VIに投資するのはやめておいたほうがいいのか?」というと、そんなことはありません。

正しく実践すれば、米国VIの複利運用はもちろん可能だし、間違いなく有力な投資手法なんですよ。

だからこのブログでも、米国VIを少しでも知って欲しいと思い、僕自身の勉強も兼ねて情報を発信しています。

 

じゃあ、その「米国VIの正しい実践」って何なのか?というと、

 

  • ロスカットレートを「極限」まで引き上げておく
  • 失ってもいい「余剰資金」のみで投資する
  • 時間のあるとき、米国VIの仕組みを調べる

 

という当たり前のことです。

複利運用は、時間を味方に付ける投資法なので、何年も、何十年も、絶対にロスカットされてはならない、という常識を知ることです。

 

「50」くらいのロスカットレートでは、多分5年~10年で根こそぎ持って行かれますよ。

ましてや「30」なんてロスカットレートで計算した利回りで複利運用なんて、幻想中の幻想です。

 

相当慎重にやらないといけないということですね。

 

ここまで述べてきたことは、VIXショックを切り抜けてきたような上級者には当たり前のことだと思います。

でもCFDって、意外と皆やっているんですよね。

その中には当然、初心者も多くいます。

 

そういった方に「最低限のリスク管理は必要!」と「米国VIは魔法じゃない!」ということを知っていただきたく、今回は少しシリアスな記事でした。

 

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