米国VIはロングとショートのどっちが有利?

 

「GMOクリック証券の米国VIを運用しているけど、ロング(買い)とショート(売り)のどちらが有利なのだろう」と思ったことはありませんか?

 

僕の周りの投資家を見渡してみると、どちらかというと「ショートに優位性がある」派の人が多いようですね。しかし僕は、米国VIを運用していて「ロングも捨てたものじゃないな」と感じることも多くあるんですよ。

 

ということで今回は、米国VIの「ロングとショート」をさまざまな観点から徹底比較していきます。「結局のところ、ロングとショートはどちらがいいのか?」と迷っている方は、必見です!

 

1.米国VIはロングすべき?それともショートすべき?

 

米国VIのロングとショートはどっちが稼げるのか?を考える上で、「ロングを持つ人と、ショートを持つ人の両方がいるから、相場は成立している」という側面は重要です。

 

たとえば株の売買では、「1万円」という価格を見て「安いから買う!」という人もいれば、「高いから売る!」という人もいて、はじめて売買が成立します。もし買いたい人だけしかいなかったり、売りたい人だけしかいなかったりする株があったら、相場は成立しません。

 

これは米国VIでもまったく同じことが言えるでしょう。ロングを持つこと、ショートを持つこと、それぞれに「絶対的な優位性はない」からこそ、米国VIという銘柄が成立しているのです。つまり、「ロングを持てば100%稼げる」とか「ショートを持てば100%勝てる」とか、そういう簡単な次元じゃないってことです。

 

しかし、それで終わってしまったらそれまでなので、ここからさらに深く考察する必要があります。だって、不確実な中でロングしたりショートしたりするのが投資家の仕事なのですから。

 

ではどうすればいいのか。「常に」ロングが有利だったり、「常に」ショートが有利だったりすることはないとしても、「ある条件」を満たしたとき、その瞬間にロングを持つことが正しかったり、ショートを持つほうが合理的だったりすることはある。

 

そういう相場の「偏り」のようなものを捉えればいいのです。以下にそのアイデアを、いくつかピックアップしてみたいと思います。

 

2.底値圏はロングが有利で、高値圏はショートが有利

 

これはもう、定番ですよね。米国VIは長期間で見れば見るほど、「レンジ相場」を描きます。これは、米国VIの「ベース価格」が10~20くらいにあり、そこから上に行っては戻り、下に行っては戻り、ということを繰り返しているからです。

 

このことは、10年後も20年後も変わりはないはずです。「将来的には米国VIのレンジ幅は100~120の間になっているだろう」もしくは「1~5くらいになっているだろう」なんてことはまずない。相場に100%はないとはいえ、非常に考えにくいですよね。

 

ということは、基本的なレンジ幅となる10~20を上回った場合はショートが有利で、下回った場合はロングが有利、ということはかなり強く断言してもいいはずです。

 

 

そんなことは当たり前だろう、という声もあるとは思いますが、こうした銘柄は非常にめずらしく、僕が米国VIに好んで投資する大きな理由です。

 

たとえば現在110万円付近で推移するビットコインが、10年後も20年後もこの価格帯でヨコヨコであることなんて考えられません。仮想通貨だけじゃなく、日本株、金、原油、米ドルなど、いろんな相場をみても「必ずこのレンジ幅に戻ってくる」なんて言える銘柄はほぼ存在しないのです。

 

「底値圏はロングが有利で、高値圏はショートが有利」であるのは、当たり前のようで当たり前ではない。この特徴を、投資家は利用しましょう。

 

3.短期保有ではロングが有利、長期保有ではショートが有利

 

米国VIをどれくらい持つのか?という保有期間は、ロングとショートの優劣に影響します。僕の基本スタンスは「短期保有ならロング有利」「長期保有ではショート有利」です。なぜそんなことが言えるのか、それぞれ解説します。

 

3-1.短期保有ではロングが有利な理由

 

「短期保有ではロングが有利だよ」と言っているのは、おそらく僕だけではないでしょうか。なので、「いい加減なことを言わないでくれ」とお叱りを受けそうな気もするのですが、間違っていたとしても聞くだけなら損をはないので、お付き合いください。

 

たとえば米国VIをどこかでロングします。このとき、場所はどこでもOKです。そして同じく、米国VIをショートします。こちらも、場所はランダムです。その後、数日以内にポジションを決済するケースを考えてみましょう。

 

さて、どちらのポジションに大きな利益(たとえば、買い値の1.5倍としましょう)が乗っている可能性が高いと思いますか?僕これ、断然ロングポジションだと思うんですよ。

 

その理由の1つは、米国VIは下落スピードよりも上昇スピードのほうが早いということ。ロングポジションに含み益が乗るときは、ショートポジションのそれよりも3倍くらい早いです。このことはチャートを見ればよく分かります。

 

米国VI 月足

 

米国VI 週足

 

米国VI 日足

 

どの時間軸で見ても、上昇するときは「サッ」と上げて、下降するときは「ダラダラ」下げますよね。こうしたチャートでロングとショートをそれぞれ短期間持つ場合、次のようなことが言えるんじゃないかと思うのです。

 

  • 米国VIのロング:当たると短期間で「10万円」もらえる宝くじ
  • 米国VIのショート:当たると短期間で「5万円」もらえる宝くじ

 

10万円、5万円といった数字に全く根拠はないのですが、イメージとしてはこんな感じではないでしょうか。こういった宝くじを何度も引くとしたら、誰もがロングを選ぶのではないかと思います。

 

もちろん、米国VIは「ダラダラ」と下げるので、ショートを持ったその瞬間がたまたま下降トレンドの可能性は高まります。しかも、トレードでは「損切り」という概念があるので、賭け金が全額ぶっ飛ぶ宝くじのような単純な話ではないはずです。

 

しかしそれでも、米国VIが一瞬で2倍なる可能性がある一方、一瞬で同程度下げる可能性が低いという事実は、「短期保有はロングが有利」ということを裏付けるものだと思います。

 

加えて、米国VIが15→30になる過程で10万円をロングしていたら「利益は10万円」になる一方、30→15になる過程で10万円をショートしていても「利益は5万円」にしかならないという事実も無視できません。

 

短期間のロングに「統計的」な優位性があるかはともかく、トレードの実践的シーンにおいて、短期のロングが「魅力的」なのは事実でしょう。

 

3-2.米国VIの長期保有ではショートポジションが有利

 

上記では「短期保有」の例を考えましたが、逆に「長期保有」の場合なら、ショートポジションが有利なのは疑いようもない事実です。なぜなら、空売りしているとその間「金利/価格調整額」を毎月1回受け取ることができるからです。

 

価格調整額は、イメージとしてはFXでいうスワップポイントや、株の配当金のようなものです。「そこまで大した額じゃないんでしょ?」と思いきや、これが決してバカにならない額なんですよね。

 

米国VIの売りポジションを、「価格調整額を目的」に放置すれば、それだけで年利10%を目指せます。これまでも、そのようにツイッターやブログでもお話ししてきましたね。

 

ただし注意点として、価格調整額は「必ず○○円もらえる」というものではありません。金額は相場環境によって変化しますし、場合によっては「もらうのではなく、支払う」ことになる場合もあります。

 

しかしトータル的に考えると、ショートポジションの保有者は価格調整額を受け取る側になります。その確率は統計的に80%以上とデータが出ているので、ショートポジションを長期保有するのは「勝者のゲーム」です。

 

「なぜ価格調整額がもらえるのか?」と疑問を感じる方は、「コンタンゴ」について調べてみましょう。価格調整額を受け取れるのは、コンタンゴという仕組みによるものです。

 

ちなみに、ショート側が価格調整額をもらっている場合、ロング側は逆に支払っています。つまり、ロングの長期保有は「敗者のゲーム」ということができます。

 

4.米国VIを「ナンピン」する場合、ロングが有利

 

僕は過去、「米国VIのショートポジションをナンピンで積み上げていくのは有効な戦略だよ」と解説しました。だから、これから解説することは「それと食い違っているじゃないか」と指摘されそうなのですが、お付き合いください。

 

そもそもナンピンとは、相場が不利な方向へ動いたとき、買い増したり、売り増したりすることで、平均取得単価を有利な方向に動かすことです。

 

たとえば下図のように、1回目の売り注文を入れます。しかし、さらに上昇してしまったので、2回目の売り注文を入れショートポジションを積み増します。ところがさらに上昇したので、3発目を投入します。

 

空売りのナンピンの例

 

その結果、「売り①」「売り②」で高値の予測に失敗したにもかかわらず、「売り③」が効いていることで、頂点に近い位置に平均取得単価を持ってくることができました。

 

これはロングでもショートでも有効な戦略です。しかし、ナンピンで売り上がるのは、本当に注意したほうがいいです。「空売りの損失は青天井だよ」などという話ではありません。

 

米国VIが2倍、3倍に上昇した場合、「空売りに必要な資金が2倍、3倍になる」ということです。

 

どのようなことか。たとえば米国VIが「20」のとき、10万円分を空売りしたとします。その後「30」まで上昇してきたので、さらに10万円分を売り増しします。これで、平均取得単価はいくらでしょうか?「20」と「30」で同額分を売却したから、「25」だと思いますよね。

 

しかし、そうじゃないんです。もし米国VIの平均取得単価を「25」に引き上げたいのなら、次は15万円分の資金で空売りしないといけません。なぜなら、米国VIの価格が「20」から「30」になると、1口当たりの価格が1.5倍になり、同じ口数を買うのに15万円必要だからです。

 

もし1回目に10万円分、2回目も10万円分しかナンピンしなければ、2回目には空売りできる口数が少なくなり、平均取得単価は想像よりも上がりません。これは、上昇率の高い米国VI特有の現象で、他の銘柄で空売りに慣れている人も注意したほうがいいと思います。

 

もし米国VIが「40」「50」と上昇しても平均取得単価を引き上げていくつもりなら、かなり資金を用意しておかなければいけません。「最終的にいくら必要なんだ?」と電卓をはじき、1回目の空売りから計画的に入っていく必要があります。これは裏を返せば、1回目の空売りの金額は「たったこれだけ?」ってくらい少額になってしまうということです。

 

一方、ロングでナンピンする場合は、これと真逆のことが起きます。たとえば米国VIが「20」のときに10万円分をロングします。そして、米国VIが「10」まで下がってきたら、1口当たりの金額は50%割引となっているので、5万円をロングするだけで、平均取得単価を真ん中の15万円に持ってくることができるのです。

 

しかも、米国VIの底値圏は10くらいとおよそ見当が付いているので、非常に計画が立てやすいですよね。上で述べたように、価格調整額のコストには気をつける必要がありますが、「この先に上昇してくるだろう」とあなたが考えるのであれば、ロングでのナンピンは有利です。

 

ショートでナンピンする場合、くれぐれも厳密な資金管理をお忘れなく。

 

5.米国VIのロングとショートは局面によって使い分けよう

 

トレーダーの最大の仕事は、ロングが有利な局面と、ショートが有利な局面を見極めることです。上記の他にも、「こんなときはロング有利」「ショートが有利」みたいな局面は細かい点を含めれば無数にありますね。

 

今回は、米国VIはロングすべきか?ショートすべきか?というお話でした。

ではまた!

 

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