トレーリングストップは「最悪」の注文方法?そのデメリットを考える

 

「利益が乗ってきた。ここで利益確定をするべきなのだろうか?」トレーダーならそんなふうに悩むことがある。

その解決策として「トレーリングストップ」が浮上する。

「最低限の利益を守りながら、利益を伸ばしていくことができる」と言われる注文方法だ。

 

しかし僕は、結論として、すべてのトレーダーはトレーリングストップを「ゴミ箱に捨てるべき」だと思う。

トレーリングストップを使うと、長期的にはほぼ全員が負け続ける可能性があるからだ。

またその代替案として、シンプルな「指値」による利益確定を提案する。

 

トレーリングストップは「最悪」の注文方法?

 

トレーリングストップを使い続けると、トレーダーは長期的に負け続けてしまう可能性が極めて高い。

 

たとえば、あなたは買い注文を持っていて、相場は上昇しているとする。

トレーリングストップで、売りの逆指値注文が追いかけてくる。

そして、一時的な下落でトレーリングストップに引っかかり、無事に利益確定がされる。

あなたは「あー、今日もよかった」と思うだろう。

 

しかし、あなたが売ったその場所は「絶好の買い場」である可能性が高い。

 

誰にでもある損切り注文の苦い経験

 

あなたは、ストップロス(損切り注文)に引っかかったけれど、結局戻ってしまい「切らなきゃよかったかな」と思ったことはないだろうか。

きっと誰にでも経験があるはずだ。

 

こうなるのは相場には「平均回帰」の法則があるからだ。

一本調子に上昇、下落することは少なく、相場はジグザグに進んでいく。

 

だから損切りに引っかかるくらい下落したら、次は上昇する可能性が高い。

 

辛抱強く3日連続して下げて引けるまで待って翌日の寄り付きで買えば、総トレード数334で勝率は55%、2万5294ドルの利益になる。

引用:ラリー・ウィリアムズの短期売買法【改訂第2版】

 

 

このように、損切りは基本的には「損」な行為だが、損失が拡大しないために仕方なく受け入れる必要がある。

しかしなぜ利益確定まで、トレーリングストップ(逆指値)注文を利用するのだろうか。

 

トレーリングストップ注文は値動きが「ピュア」なら機能する

 

トレーリングストップは、一昔前なら機能したかもしれない。

昔は短期トレーダーが少なかったから、値動きがピュアだったと言われる。

 

上がり始めたら上がり続けるし、下がり始めたら下がる続ける。

こんな素直な相場であれば、トレーリングストップでトレンドを追いかけていけば、相場が折り返したときに上手く利食うことができるだろう。

 

マーケットの魔術師というトップトレーダーのインタビューを集めた本の中で、トレーダーの一人が「移動平均線を使ったトレンドフォローシステムは死んだ」というようなことを言っていた。

この本は古いけれど、すでに値動きがノイジーになりつつあることを示している。

 

ましてや現在の値動きはどうだろう。

短期トレーダーが短い時間軸で、レバレッジをかけて大量の注文を行うから、どの相場も「ヒゲ」だらけだし「ダマシ」だらけだ。

 

トレーリングストップはノイズの少ない相場にだけ有効だ。

ノイズの少ない月足でのトレードや、動きがいまだにピュアな銘柄なら、トレーリングストップは機能するかもしれない。

しかし、何も考えずにトレーリングストップを使っていると、ヒゲやダマシにみごとにやられることになる。

 

トレーリングストップの「幅」を調整しても勝てない

 

トレーリングストップで負けるのは、トレール幅の設定が悪いからだ」と考える人もいるかもしれない。

しかしそうじゃない。

 

ダマシには小さなダマシから大きなダマシまでまんべんなくあるから、トレーリングストップ幅を上手く設定しても無駄だ。

 

  • ノイズを拾わないようにトレール幅を広めに取ると、利益が取れているはずなのに建値撤退になる
  • トレール幅を狭くすると、ダマシに引っかかる

 

一回のトレードでは上手くいくかもしれないが、長期的にはトレーリングストップはどこかで損を出し始めることになると思う。

 

トレーリングストップで勝っている人もいるけれど?

 

与沢翼さんはFXの短期トレードで大成した人だ。

その動画の中で「トレーリングストップは最低限の利益を確保しながら、さらなる利益を追求できる、負けない戦いです」といった感じで、トレーリングストップを絶賛していた。

 

けれど、僕は与沢翼さんが今もトレーリングストップを使っているかは分からないと思っているし、もし使っているとしたら、与沢さんが勝てているのはトレーリングストップのおかげではない。

エントリーのポイントが絶妙だからだ。

ノイズなく一気に動くポイントをつかむのがうまいので、トレーリングストップがダマシに引っかからないだけだ。

利食いに指値注文を使えば、もっと勝率は上がる。

 

トレーリングストップでは損小利大は実現できない

 

トレーリングストップは利益を追求する注文と言われる。

しかし、本当に利益を追求する気ならば、損切り注文を「トレール」などしない。

まだ上昇する余地があるのに、一時的な下落で利益確定してしまったら利は伸ばせないからだ。

 

本当の利益追求とは、損切り注文を動かさず、相場に遊びの余地を持たせることで実現する。

「一時的に押したっていいから、どんどん上を目指してくれ」という、どっしりした構えがないと損小利大は実現しない。

だから、トレール注文を使うと利益を追求できるなんて、幻想だ。

 

相場はトレンド相場よりもレンジ相場が多い。

レンジ相場の中では、「トレンドかな?」と思うが結果的には伸びないダマシが何度も出現する。

平均回帰の法則によって相場は戻ってしまう。

 

だから一時的に下落したときに決済するトレーリングストップは、下に「伸びきった」ときに利食う最悪のトレードとなりやすい。

 

指値注文で利食っておけば、平均回帰の法則によるところの「伸びきった場所」で利食える確率が高まる。

毎回じゃないが、そうなる“確率”が高まる。

 

利益確定は「指値」で行おう

 

では、僕たちトレーダーはどのように利益確定を考えればいいのだろうか。

結論、「指値」で行うべきだ。

つまり買いなら現在値よりも上、売りなら下に利食いの注文を入れる。

5分足も、日足も、同様だ。

 

僕はトレンドフォローのとき、エントリーは逆指値で入る。

「ここを抜けたら伸びるだろうな」という部分からエントリーする。

エントリーはピンポイントで狙うことができるから逆指値でいい。

 

しかし、利益確定は「指値」のほうがいい。

トントントン!と相場が上がって、あらかじめ決めた目標価格に到達したらすぐ利食う。

「ちょっと勢いが弱まってから」とか「ちょっと下がり出したら」とか考えるべきじゃない。

 

それはトレーリングストップと同じ考え方だ。

下がりだしてから売れば、本来買うべき「押し目」で利確してしまう可能性が高まる。

相場は長期的にはジグザグに進むから、それを何度も繰り返せば、利益が圧迫されることになる。

 

指値は上昇余地を「捨てる」ことになるのか

 

指値注文では、利益を限定してしまうことになるように思えるだろう。

しかし、そうではない。

 

たしかに大きな値幅を取ることができれば、リターンは大きくなる。

しかし小さな値幅であっても、ロット(ポジション量)を大きくすれば、大きな利益を狙うことができる。

確実に自分が「動く!」と分かるポイントだけを、ロットを上げて取りに行けばいいのだ。

 

1000円の値幅を取れたらかなりラッキー。

でも、100円の値幅であっても、レバレッジ10倍をかけることで同じリターンが得られる。

1000円幅を取ることは難しいけど、100円幅を取るチャンスはたくさんある。

だから、むしろ少ない値幅を取れるようになることが、リターンを最大化するための近道なのだ。

 

指値注文を使うと、「そのシグナルがダマシに終わったとしても、一時的にはここまで伸びるだろう」という場所で利益を確保して逃げるテクニックが身につく。

それが長期的にみると、口座残高を大きく押し上げることになる。

 

トレーリングストップは一見すると優秀な注文方法だが、結論としては多くの場合、指値注文による利食いがベストだ。

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